2009年07月15日 06:00
今回のSSはアイドルマスターSSまとめ集に投下した作品です。随分と前の作品で、まだ自分のアイマスへの理解もこんな感じだったのね、と感慨深く思っております。
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「プロデューサーさん、ドームですよっ、ドーム! ……え? ドームというかお城っぽいし、なんで中にグルグル回るベッドがあるのかって? ……でも回るベッドって確か危ないから廃止に、ってなんですかプロデューサーさん。そのバールのようなものは! え? アイドルとしての自覚を持て? そんなもんあったらさっさとプロデューサーさんを肉奴隷にs」
ヴぁい!
春香め、よりによって自分の実家近くのに入りやがって。あんな田舎のことだからすぐに情報など行き渡るに違いない。というか何で事務所で気を失ったのに春香の実家まで行けるのだろう。でもきっと考えちゃいけないんだろうなあ。
デスヨネー。
頭の中にまで侵食してきた春香を隅に追いやる。まあでも、これで今週の“のヮの”さんの魔の手はもうないだろう。安堵と疲れの混じったため息を吐き出しながら、俺は事務所のドアを開けた。
少し手狭になった部屋には千早、あずささん、律子の三人がおり、ここからでは見えないが何かコソコソとやっているようだ。だからといって事務所内でも特に潔癖な千早に常識人の律子なら怪しむ必要も無い。俺は声を掛けようと息を吸い込むのだが、そこで妙な匂いに気づいた。
なんというか、酒くさ。
「リッチャンハカワイイデスヨー」
「そうだよねぇー、可愛いさこんちくしょー」
あれ? ここってアイマスワールドだよね?
ちゃんと自分が2.5次元の住人かどうか確認しながら、三人へと近づいていく。背中から冷や汗が止まらない俺に、なんかこうグルングルンとした空間を形作っている三人が顔を向けた。
「リッチャンハカワイイデスヨー」
うん、そうだな。
「おぉう! よく来た! さっさとこっち来い! 飲もうぜ!」
あずささんもといキングさん、ス○オの中の人呼んじゃいますよ?
話しかけてきた二人の顔は予想通り真っ赤ッか。三人が座っている、応接間から持ってきた四人掛けのソファーセットのテーブルには案の定、テキーラの瓶が転がっていた。一体、どんな経緯でこんなことになったかなんて考えたくないが、とにかく飲んで、酔って、バカ三人というわけだ。
「リッチャンハカワイイデスヨー」
はいはい。
上機嫌(?)の二人を放っておいて、俺は奥のほうにいる千早を覗き込む。俯いているせいで顔は見えないが、真っ赤になった耳から考えて、千早もそれなりに飲んだのだろう。全く、こんなの悪徳記者にでも見られたら一発だ。
「千早、千早」
俺は手を伸ばして千早の肩を揺さぶる。抵抗もせずカクンカクンと揺れる首。こりゃまずいなぁ。
「リッチャンハカワイイデスヨー」
とにかく、まだ残っている酒を取り上げ、小鳥さんに連絡を取る。未成年まで飲酒してしまっているのでなるだけ応援が欲しい。しかし、携帯から電話をかけると同時に、いないはずの小鳥さんの机から着信音。小鳥さん、自分の曲使ってるんですね。
まさかと思い、小鳥さんの机へと近づくと、本来はイスが納まっているはずの空間に体育座りをしている小鳥さんが見えた。先ほどの着信に合わせて歌を口ずさみ、レディースコミックを読むその姿に思わず涙が出そうになったがそれはそれ。明日には全て忘れてくれていることを望むしかない。
ため息一つ。俺は事務所の車の鍵を出し、一人一人運ぶことに決めた。仮にも大事なアイドル達。こんなアホなことで潰したくは無い。
「リッチャンハカワイイデスヨー」
「カワイイデスネ。ほら、送ってくから、よっ」
律子を持ち上げ、殆どおぶるように肩にかける。明日は事情聴取をイヤというほどしてやるからな。
ただ、ここでやっと気づいたことが一つあった。そう、俺の担当である雪歩と真の姿がいない。二人にはたしか事務所で待機しているよう指示をしたはずだし、そもそもこんな惨状で連絡一つしてこないのもおかしい。そこで、俺は丁度ソファーセットで陰になる所で見つけてしまった。
「穴……」
掘っちゃったんだ、ここ二階だよ?
俺は一旦、律子を下ろすと、恐る恐る穴へと近づく。ついでにあずささんはもう寝てる。案外、あれで普通の酒で良かった。そうして俺はそーっと穴を魔窟を覗き込む。先ほどから穴からは真らしき嬌声が漏れ、もしかしたら穴を掘ってここから退避したのかなー、なんて淡い期待をぶち壊すアレなソレを見てしまう。
「あぁ……! ん、雪……あぁっ!」
え、ウソ? 女の子同士って、えぇぇ……!?
その時、ドアが開く音がして、聞きなれた声が響く。そうだ、正体不明の頼れる男、社長が、
「おぉ、君か。いやぁ、今日も良い天気だねえ」
って赤っ、赤!! え、審査員?
そしてまたドアが開く。
「兄c兄c→♪ 真美もいるよ→♪」
「亜美もいるよ→♪」
「そしてまた真美もいるよ→♪」
魔法成功しちゃった?
「美希もいるのー」
あ、今更マトモなの!?
「リッチャンハカワイイデスヨー」
そうですね。
てんやわんやの795事務所。誰か、誰か!
「プロデューサー」
「千早! 正気に戻ったか?」
「……関東にいる巨乳は全員死んだ方が良いと思いま」
俺、ここ辞めます!
「それでぇ、なんでこの超絶美少女でスーパーアイドルの伊織ちゃんが出てないのかしらぁ?」
「本音言って良い?」
「な、なによ」
「実は一番、常識人だから」
「……」
おわり
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「プロデューサーさん、ドームですよっ、ドーム! ……え? ドームというかお城っぽいし、なんで中にグルグル回るベッドがあるのかって? ……でも回るベッドって確か危ないから廃止に、ってなんですかプロデューサーさん。そのバールのようなものは! え? アイドルとしての自覚を持て? そんなもんあったらさっさとプロデューサーさんを肉奴隷にs」
ヴぁい!
春香め、よりによって自分の実家近くのに入りやがって。あんな田舎のことだからすぐに情報など行き渡るに違いない。というか何で事務所で気を失ったのに春香の実家まで行けるのだろう。でもきっと考えちゃいけないんだろうなあ。
デスヨネー。
頭の中にまで侵食してきた春香を隅に追いやる。まあでも、これで今週の“のヮの”さんの魔の手はもうないだろう。安堵と疲れの混じったため息を吐き出しながら、俺は事務所のドアを開けた。
少し手狭になった部屋には千早、あずささん、律子の三人がおり、ここからでは見えないが何かコソコソとやっているようだ。だからといって事務所内でも特に潔癖な千早に常識人の律子なら怪しむ必要も無い。俺は声を掛けようと息を吸い込むのだが、そこで妙な匂いに気づいた。
なんというか、酒くさ。
「リッチャンハカワイイデスヨー」
「そうだよねぇー、可愛いさこんちくしょー」
あれ? ここってアイマスワールドだよね?
ちゃんと自分が2.5次元の住人かどうか確認しながら、三人へと近づいていく。背中から冷や汗が止まらない俺に、なんかこうグルングルンとした空間を形作っている三人が顔を向けた。
「リッチャンハカワイイデスヨー」
うん、そうだな。
「おぉう! よく来た! さっさとこっち来い! 飲もうぜ!」
あずささんもといキングさん、ス○オの中の人呼んじゃいますよ?
話しかけてきた二人の顔は予想通り真っ赤ッか。三人が座っている、応接間から持ってきた四人掛けのソファーセットのテーブルには案の定、テキーラの瓶が転がっていた。一体、どんな経緯でこんなことになったかなんて考えたくないが、とにかく飲んで、酔って、バカ三人というわけだ。
「リッチャンハカワイイデスヨー」
はいはい。
上機嫌(?)の二人を放っておいて、俺は奥のほうにいる千早を覗き込む。俯いているせいで顔は見えないが、真っ赤になった耳から考えて、千早もそれなりに飲んだのだろう。全く、こんなの悪徳記者にでも見られたら一発だ。
「千早、千早」
俺は手を伸ばして千早の肩を揺さぶる。抵抗もせずカクンカクンと揺れる首。こりゃまずいなぁ。
「リッチャンハカワイイデスヨー」
とにかく、まだ残っている酒を取り上げ、小鳥さんに連絡を取る。未成年まで飲酒してしまっているのでなるだけ応援が欲しい。しかし、携帯から電話をかけると同時に、いないはずの小鳥さんの机から着信音。小鳥さん、自分の曲使ってるんですね。
まさかと思い、小鳥さんの机へと近づくと、本来はイスが納まっているはずの空間に体育座りをしている小鳥さんが見えた。先ほどの着信に合わせて歌を口ずさみ、レディースコミックを読むその姿に思わず涙が出そうになったがそれはそれ。明日には全て忘れてくれていることを望むしかない。
ため息一つ。俺は事務所の車の鍵を出し、一人一人運ぶことに決めた。仮にも大事なアイドル達。こんなアホなことで潰したくは無い。
「リッチャンハカワイイデスヨー」
「カワイイデスネ。ほら、送ってくから、よっ」
律子を持ち上げ、殆どおぶるように肩にかける。明日は事情聴取をイヤというほどしてやるからな。
ただ、ここでやっと気づいたことが一つあった。そう、俺の担当である雪歩と真の姿がいない。二人にはたしか事務所で待機しているよう指示をしたはずだし、そもそもこんな惨状で連絡一つしてこないのもおかしい。そこで、俺は丁度ソファーセットで陰になる所で見つけてしまった。
「穴……」
掘っちゃったんだ、ここ二階だよ?
俺は一旦、律子を下ろすと、恐る恐る穴へと近づく。ついでにあずささんはもう寝てる。案外、あれで普通の酒で良かった。そうして俺はそーっと穴を魔窟を覗き込む。先ほどから穴からは真らしき嬌声が漏れ、もしかしたら穴を掘ってここから退避したのかなー、なんて淡い期待をぶち壊すアレなソレを見てしまう。
「あぁ……! ん、雪……あぁっ!」
え、ウソ? 女の子同士って、えぇぇ……!?
その時、ドアが開く音がして、聞きなれた声が響く。そうだ、正体不明の頼れる男、社長が、
「おぉ、君か。いやぁ、今日も良い天気だねえ」
って赤っ、赤!! え、審査員?
そしてまたドアが開く。
「兄c兄c→♪ 真美もいるよ→♪」
「亜美もいるよ→♪」
「そしてまた真美もいるよ→♪」
魔法成功しちゃった?
「美希もいるのー」
あ、今更マトモなの!?
「リッチャンハカワイイデスヨー」
そうですね。
てんやわんやの795事務所。誰か、誰か!
「プロデューサー」
「千早! 正気に戻ったか?」
「……関東にいる巨乳は全員死んだ方が良いと思いま」
俺、ここ辞めます!
「それでぇ、なんでこの超絶美少女でスーパーアイドルの伊織ちゃんが出てないのかしらぁ?」
「本音言って良い?」
「な、なによ」
「実は一番、常識人だから」
「……」
おわり


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